忍者ブログ

思考力も記憶力もなくひたすらカンだけに頼った人生を送るMIKAのツメの甘すぎる日常生活

   
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前説 アポロ11
何も知らない傍から見たら、すべてが予定調和で順調に進んだかに見えたアポロ11号の月着陸も、実際は一瞬一瞬が一か八かのギャンブル状態で事が運んでいた。 着陸直前になってコンピュータのアラームが突然鳴りだし、それが一体何に対する警告なのか誰にも分らなかった。 着陸するか断念するかは当時26歳のコンピューター技師の判断に委ねられた。 国家の威信、天文学的な数字の予算と人出、人類の夢、宇宙飛行士の命・・・全てのことが彼の肩にのしかかっていた。 しばらくの沈黙の後、彼は恐怖に震える声で決断を下した。
 

「続行」
 

安全なのかどうか全く確信がなかったし、確証がない限り中止する方が妥当な判断だったのだが、コンピューターはちゃんと作動しているのだし自分の直感ではゴーだ、というだけでこの判断を下したのだという。 着陸中止の準備をしていた2人の宇宙飛行士は内心驚いた。 この時点で月面まで1000フィート。 あと60秒で燃料切れ。 しかしコンピューターで誘導される予定だった着陸地点が大きな岩だらけなのを発見したアームストロングはもっと平らな部分を探そうと、残り少ない燃料と重力の狭間で、半ば手動で着陸船を操縦し始めた。 着陸寸前に不気味な水平飛行を始めた着陸船に、今度は管制室のスタッフが度肝を抜かれる番だった。 着陸地点に6マイルの誤差が生じると、計画は自動的に中止になる。 軌道修正されたディスプレイの誤差修正の表示は4マイル。 シュミレーションではとっくに着陸しているはずの時間・・・・
 
 
「こちら静かの海。 鷲(イーグル)は舞い降りた。」
 
 
着陸なんとか成功。 この通信をした時点で燃料はあと10秒分。 アームストロングの心拍数は冷静な声とは裏腹に150まで上がっていた。
 
 
 
私たちがよく目にする月面に立つ宇宙飛行士の写真は殆どすべてがファーストマン、アームストロングではなく、セカンドマン、オルドリンの姿だ。 それほど視覚的要素やメディアを重要視していなかった60年代、ましてや理系や軍人ばかりの組織で、写真とか映像に残すという今だったら大衆(納税者)へのアピールの為に最優先だと思われることがいちばん後回しになってしまい、宇宙飛行士のみなさん忙しいスケジュールの合間に写真撮れたら撮ってちょうだいね、って感じに急遽なったらしい。 とにかくやることはいっぱいあるし、この特殊なカメラの操作にもあまり慣れてなかったし、第一ファインダーを覗いて撮るわけじゃなくて胸に下げたカメラで適当にあたりを付けて撮る、って感じだった。 それでもアームストロングは結構マメにシャッターを切り、被写体であるオルドリンをきちんと真ん中におさめているものが多い。 それにひきかえオルドリンが月面でアームストロングを撮った写真はたったの2枚。 しかも一枚は遠景の端に全身の写ったもの、もう一枚は左下方に背中にしょったタンクと右足しか映ってないというトホホ状態・・・ちょっと凹む。
 
 
 
とかく大衆は人類初の月面着陸にドラマチックなものを期待しがちだったけれど、技術者や軍人ばかりの当事者たちの会話は、感情とは距離を置き、なるべく事実を客観的に手短に曖昧さをさけて伝えようとするあまり、専門用語の単語の羅列になってしまい、一般人には無味乾燥でわけのわからないものになっていた。 派手派手の冒険野郎然としていた初期宇宙計画のマーキュリー7に比べ、アポロ11のクルーたちはいつでも沈着冷静、寡黙で英雄然とすることをよしとしない人たちだった。 そのせいもあってなんだかアポロ計画っておもしろくな~いって納税者たちから思われ始め、アポロ計画は17号をもって終了する。 
 
 

でもそういう英雄然としない、必要なことしかしゃべらない、曖昧さや非現実的なものを嫌う魂は、時として忘れられないほど簡潔で美しい言葉を発するものなのだ。
 
 

That’s one small step for a man, the one giant leap for mankind.


 

拍手

PR
  
COMMENT
NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 
最新コメント
[08/14 bvewqckosq]
[06/10 MiKA]
[06/10 ポンコ]
[04/23 MIKA]
[04/23 通りすがり]
プロフィール
HN:
MIKA
性別:
女性
自己紹介:
ブログ側からはプロフィールのみ公開しています。HPに興味のある方はMIKAまで。
ブログ内検索
アーカイブ
カウンター
アクセス解析
アクセス解析
アクセス解析
忍者アナライズ
忍者アナライズ
Copyright ©  -- MIKA'S NOTE --  All Rights Reserved

Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]