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思考力も記憶力もなくひたすらカンだけに頼った人生を送るMIKAのツメの甘すぎる日常生活

   
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孤高のサル
167.JPG千葉県に佐倉という、昔は確実にど田舎だったんだろうけど、なまじっか千葉市とか都内にも通勤可能圏であるために中途半端な郊外都市発展を遂げちゃいました風な土地がある。 (余談だが私の母は7歳で巣鴨の家が空襲で焼けてから、17歳の時に24時間かかって姉の嫁ぎ先鳥取に両親と引っ越して来るまでこのあたりの住民だった。) ここに大日本インキという会社の広大な敷地面積を誇る研究所があって、その同じ敷地内にこの川村記念美術館は立っている。 創始者一家の二代目と三代目が稀代のアートコレクターで、畑違いのいわば成金さんにしては研ぎ澄まされた確かな審美眼をお持ちだった。 ことに三代目社長は現代アートにも造詣が深く、実際に川村記念館を訪れるとあっと驚く巨大な現代アートたちに出合うことになる。 よく田舎の個人の素人さんがこんなものを高いお金を出して収集する気に164.JPGなったよなあ、と思うようなものに。
 
 
この美術館で初めて知ったのが、橋本関雪だった。 展示室の一つに置いてあったのが関雪の馬と壮年の男性と中性的な若い人が描かれた屏風絵で、その絵柄に最初は現代の30代くらいの日本画家とかイラストレーターの作品かなと思った。 解説を見て、この絵が大正時代に描かれたと知ってびっくりしたと同時にこの橋本関雪という人に俄然興味が湧いてきて、それ以来ずっと心に引っ掛かり続けていた。(ちなみにこの屏風絵の題材は中国の故事で、ディズニーアニメでもお馴染みのムーラン。 馬から降り、兜を脱いで一休みするムーランを見て初めて主人が女の子だったのを知る従者、という場面らしい。)
 
 

そんなわけで松江の橋本関雪展へ。
 
 

このひとの面白いのは、題材にせよ画風にせよ一つ所に落ち着いてないところ。 その時々で最良だと思う表現方法を用いようとするあるいは時に同じ画面上でそれらを混在させようとする・・・現代のイラストレーター的な仕事だと思うのはそのあたりにあるのか・・・それにこのひともシーレ同様素描の線にそのセンスというか天賦の才が表れている。 あとは老人の表情、レイアウト、色づかい、動物のポーズと描線と眼の表現。
 
 

いちばん惹かれたのは、満月の夜、大ぶりな松の枝の上に佇む一匹の白い老いた猿の絵。 最愛の妻を失った後7年のちに描かれた、自身が亡くなる6年前の作品。
 
 

・・・どんなものにも衰退と終焉はやってくる。 その諦めと寂しさにつつまれている。 

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